声優養成所の学費はいくら?安い養成所と相場を徹底解説

声優を目指す上で、まず気になるのが声優養成所の学費ではないでしょうか。学費の平均はどのくらいなのか、学費が安い声優養成所はあるのか、また学費免除の制度は利用できるのか、知りたいことはたくさんありますよね。

声優専門学校の学費は高すぎると感じる方もいるかもしれませんし、そもそも声優専門学校と養成所どっちがいいのかという根本的な悩みもあるでしょう。さらに、社会人でも通えるのか、レッスンは厳しいのか、オーディションや合格率の実態、そして噂される声優養成所の闇についても気になるところです。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安を一つひとつ解消していきます。

  1. 声優養成所の学費相場と具体的な内訳
  2. 学費を抑えられるおすすめの養成所の特徴
  3. 学費以外に重視すべき養成所選びのポイント
  4. 声優専門学校と養成所の違いと自分に合った選び方

因みに私は、会社員やテーマパークの案内スタッフをしながら、養成所に通いました。テーマパークに勤めながら声優や俳優を目指す人も多かったです。

声優養成所の学費はいくら?相場を解説

  • 声優養成所の学費、平均額をチェック
  • 学費が安い声優養成所はどこですか?
  • 活用したい声優養成所の学費免除制度
  • 声優専門学校の学費は高すぎる?
  • 声優専門学校と養成所、どっちがいい?

声優養成所の学費、平均額をチェック

声優養成所の学費は、週1回のレッスンで年間30万円~40万円程度が平均的な相場です。この金額は、主に入所金と年間の授業料を合計したものになります。もちろん、養成所やコース内容、レッスンの頻度によって費用は大きく変動します。

費用の内訳を詳しく見ていきましょう。

入所金

入所金は、養成所に入所する際に一度だけ支払う費用で、学校の入学金に相当します。相場としては10万円~25万円ほどが一般的です。中には、俳協ボイスのように入所金が0円の養成所もあり、初期費用を抑えたい方にとっては大きな魅力となるでしょう。

授業料

授業料は、養成所にかかる費用の大部分を占めるものです。レッスンの回数や時間、内容によって金額に差が出ます。週1回のコースであれば、年間で20万円~45万円程度を想定しておくと良いでしょう。週3回や週5日の全日制コースになると、授業料はさらに高額になり、年間で60万円から100万円を超えるケースもあります。

学費以外の費用も忘れずに

養成所に通うためには、学費以外にも様々な費用が発生します。例えば、入所オーディションを受けるための受験料(数千円程度)、養成所に通うための交通費、レッスンで着用するウェアやシューズ代などです。特に交通費は、養成所が学校法人ではないため通学割引が適用されず、通勤定期を購入する必要があるため、意外と大きな出費になる可能性があります。これらの費用も事前に計算に入れておくことが大切です。

以下に、主要な声優養成所の初年度にかかる費用の例をまとめました。養成所選びの参考にしてください。

声優養成所(公式サイト) 入所金 授業料(年間) 合計(初年度) レッスン頻度
日本ナレーション演技研究所 99,000円 242,000円 341,000円 週1回
俳協ボイス 0円 330,000円 330,000円 週1回
81 ACTOR’S STUDIOS 120,000円 220,000円 340,000円 週1回
シグマ・セブン声優養成所 220,000円 435,600円 655,600円 週3回
青二塾 220,000円 880,000円 1,100,000円 週5回

※上記は基礎科・週1回クラスなどを基準とした概算です。正確な情報は各公式サイトをご確認ください。

学費が安い声優養成所はどこですか?

「できるだけ費用を抑えて声優を目指したい」と考える方にとって、学費の安さは重要な選択基準の一つです。結論から言うと、日本ナレーション演技研究所(日ナレ)や俳協ボイスは、業界内で実績がありながらも比較的学費が安い養成所として知られています。

例えば、日本ナレーション演技研究所は週1回コースの初年度費用が合計34.1万円です。これは、多くの人気声優を輩出している大手養成所としては、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。また、校舎が全国に多数あるため、地方在住の方でも上京せずに通えるメリットがあります。

一方、俳協ボイスは入所金が0円という点が大きな特徴です。初年度の費用は授業料のみの33万円となり、初期費用を大幅に抑えることが可能です。ただし、半年で進級審査があるなど、短期間で結果を求められる環境でもあります。

安さだけで選ぶのは危険!

学費が安いことは魅力的ですが、それだけで養成所を決めてしまうのは避けるべきです。最も大切なのは、「その養成所からプロの声優としてデビューできるか」という点です。学費が安くても、プロダクションへの所属実績が乏しかったり、レッスンの質が低かったりしては意味がありません。必ず、卒業生の活躍実績や所属できるプロダクション、カリキュラムの内容などを総合的に判断しましょう。

学費の安さに加えて、デビューへのバックアップ体制が整っているか自分の目指す方向性と合っているかをしっかりと見極めることが、後悔しない養成所選びの鍵ですよ。

活用したい声優養成所の学費免除制度

活用したい声優養成所の学費免除制度

経済的な理由で養成所に通うことをためらっている方もいるかもしれません。しかし、諦める前に学費の免除や減額が受けられる制度がないか調べてみる価値はあります。多くの養成所では、優秀な人材を確保するために特待生制度を設けています。

特待生制度とは、入所オーディションの成績優秀者に対して、入所金や授業料の全額または一部を免除する制度です。これは非常に狭き門ではありますが、実力に自信がある方は挑戦してみることをおすすめします。どのような基準で選ばれるか、また免除される金額は養成所によって異なるため、各養成所の募集要項をよく確認しましょう。

また、特待生制度以外にも、以下のような費用サポートが存在する場合があります。

  • オーディション特典: 事務所が主催する大規模なオーディションで優秀な成績を収めた場合に、系列養成所の学費が免除されることがあります。
  • 教育ローン: 青二塾のように、日本政策金融公庫などの教育ローンと提携している養成所もあります。これにより、費用の分割払いが可能になります。
  • 新聞奨学生制度: 新聞配達の仕事をしながら、学費のサポートを受けられる制度です。学業との両立は大変ですが、経済的な負担を大きく軽減できます。

これらの制度は、全ての養成所に用意されているわけではありません。しかし、声優になるという強い意志と、それを裏付ける実力や努力があれば、道は開ける可能性があります。気になる養成所が見つかったら、まずは費用サポートについて問い合わせてみるのが良いでしょう。

声優専門学校の学費は高すぎる?

声優専門学校の学費は高すぎる?

声優を目指す進路として、養成所の他に「声優専門学校」があります。専門学校の学費は、2年制の全日制コースで総額250万円~300万円以上かかることが多く、年間の費用に換算すると130万円~150万円ほどになります。養成所の年間30~40万円という相場と比較すると、「高すぎる」と感じるかもしれません。

では、なぜ専門学校の学費は高額なのでしょうか。その理由は、教育内容と環境の違いにあります。

  1. 充実したカリキュラム: 専門学校は週5日の全日制が基本です。演技や発声の基礎はもちろん、ダンス、歌、ナレーション、舞台制作など、声優に関連する幅広い分野を2年間かけてじっくり学びます。
  2. 整った施設・設備: アフレコスタジオやレコーディングブース、ダンススタジオなど、プロ仕様の設備が整っている場合が多く、その維持管理費も学費に含まれています。
  3. 学校法人としての認可: 多くの専門学校は学校法人として認可されており、卒業すると「専門士」の称号が得られます。また、通学定期や各種学割が適用されるメリットもあります。

このように、専門学校の学費には、養成所とは異なる付加価値が含まれています。単純に金額だけで比較するのではなく、自分がどのような環境で、何を学びたいのかを明確にした上で、その対価として学費が妥当かどうかを判断することが重要です。

声優専門学校と養成所、どっちがいい?

声優専門学校と養成所、どっちがいい?

「専門学校と養成所、結局どっちを選べばいいの?」これは、声優志望者が必ず直面する悩みです。結論から言えば、どちらが良いかは個人の状況や目的によって異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った道を選択することが大切です。

両者の違いを比較しやすいように、以下の表にまとめました。

声優専門学校 声優養成所
対象者 未経験者、基礎からじっくり学びたい人 ある程度の基礎力がある人、即戦力を目指す人
期間 2年間(全日制が主流) 1~2年間(週1~3回が主流)
学費(年間) 高い(約130万~150万円) 安い(約30万~40万円)
入学方法 書類審査や面接が中心(比較的入りやすい) オーディションがあり、合格が必要(難易度が高い)
メリット ・演技の基礎をゼロから学べる
・設備が充実している
・学割が使える
・多くのプロダクションのオーディションを受けられる
・プロダクション直結でデビューに近い
・費用が比較的安い
・現役のプロから直接指導を受けやすい
・仕事と両立しやすい
デメリット ・費用が高い
・デビューまで時間がかかる傾向がある
・入所オーディションの倍率が高い
・基礎的なレッスンが少ない場合がある
・プロダクション所属が保証されているわけではない

もしあなたが全くの未経験で、演技の「い」の字も分からないという状態であれば、まずは専門学校で2年間みっちりと基礎を固めるのがおすすめです。逆に、演劇部や他のスクールで経験を積んできて、すぐにでもプロの現場を目指したいという方は、プロダクション直結の養成所が近道になるでしょう。

自分の経験値、経済状況、そしてどれくらいの期間で声優になりたいのかを総合的に考えて、最適な選択をしてください。

声優養成所の学費以外の重要な判断基準

  • 避けて通れない声優養成所オーディション
  • 突破は可能?声優養成所の合格率は?
  • 厳しい?声優養成所のレッスン内容
  • 社会人向けの声優養成所はあるのか
  • 知っておきたい声優養成所の闇の部分
  • 自分に合う声優養成所の学費の考え方

避けて通れない声優養成所オーディション

避けて通れない声優養成所オーディション

声優養成所は、誰でも希望すれば入れるわけではありません。ほとんどの養成所では、入所するためにオーディションを受ける必要があります。これは、プロダクションが将来有望な人材を見極め、育成する価値があるかどうかを判断するための重要な選考過程です。

オーディションの内容は養成所によって様々ですが、一般的には以下のような審査が行われます。

  • 書類審査: 申込書に記載された経歴や自己PRをもとに、一次審査が行われます。
  • 実技審査: 課題として渡されたセリフやナレーションの原稿を読むテストです。滑舌や表現力、読解力などが評価されます。
  • 面接: 志望動機や自己PR、質疑応答などを通じて、人柄やコミュニケーション能力、声優としての将来性を見られます。
  • 筆記試験: 一般常識や漢字の読み書きなどが出題されることもあります。

これらのオーディションに合格して、初めて養成所で学ぶ権利を得ることができます。受験料として5,000円~8,000円程度の費用がかかるのが一般的です。日頃から発声練習や滑舌トレーニングを怠らず、なぜ自分が声優になりたいのかを明確にしてオーディションに臨む準備が不可欠です。

突破は可能?声優養成所の合格率は?

「養成所のオーディションって、どれくらいの人が受かるの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。しかし、残念ながらほとんどの養成所は合格率や倍率を公表していません。そのため、正確な数字を知ることは非常に困難です。

ただ、人気声優を多数輩出している有名な養成所や、大手プロダクション付属の養成所は、毎年数多くの応募者が殺到するため、合格の倍率は非常に高くなると推測されます。例えば、プロ・フィット声優養成所の本科は、かつて倍率が20倍にもなったという情報があるほどです。

合格は決して簡単なことではありませんが、決して不可能ではありません。合格を勝ち取る人たちには、共通する特徴があります。

オーディションで評価されるポイント

  • 基礎的な技術力: 明瞭な滑舌やしっかりとした発声は、最低限クリアすべき項目です。
  • 個性と魅力: 他の応募者にはない、キラリと光る個性や声の魅力を持っているか。
  • 読解力と表現力: 渡されたセリフの意図を正確に読み取り、自分なりに表現できるか。
  • 人間性と熱意: 一緒に仕事をしたいと思わせる人柄や、声優になりたいという強い熱意。

これらのポイントを意識して、自分を最大限にアピールすることが合格への道を切り開きます。倍率の高さに臆することなく、挑戦することが重要です。

厳しい?声優養成所のレッスン内容

厳しい?声優養成所のレッスン内容

養成所のレッスンは、趣味の習い事とは全く異なります。プロの声優を育成する場であるため、その内容は基本的に厳しいものだと考えておくべきです。講師陣は現役の声優や音響監督など、プロの現場を知り尽くした人たちであり、技術面だけでなく精神面においても高いレベルを求めてきます。

具体的なレッスン内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 発声・滑舌: すべての基本となる腹式呼吸や、早口言葉、外郎売などを用いたトレーニング。
  • 演技基礎: 喜怒哀楽の表現、エチュード(即興劇)、舞台演技などを通じて表現力を磨きます。
  • アフレコ実習: 実際にアニメーションの映像に合わせてセリフを言う練習。マイクワークも学びます。
  • ナレーション: ドキュメンタリーやCMなどの原稿を読み、的確に情報を伝える技術を学びます。
  • ダンス・日舞: 体力作りや表現の幅を広げるために、身体を使ったレッスンを取り入れている養成所も多いです。

さらに、多くの養成所では年に1~2回の進級審査が待ち受けています。この審査で実力が認められなければ、上のクラスに進めなかったり、最悪の場合は退所を宣告されたりすることもあります。常に競争にさらされる厳しい環境ですが、その中で切磋琢琢磨することこそが、プロへの道筋となるのです。

社会人向けの声優養成所はあるのか

社会人向けの声優養成所はあるのか

「社会人になってから声優を目指すのはもう遅いのでは…」と不安に思う必要はありません。結論として、多くの声優養成所は社会人でも通うことが可能です。実際に、大学や会社に通いながら養成所でレッスンを受けている人はたくさんいます。

その理由は、多くの養成所が週1回や週2回の夜間・土日クラスを設けているためです。これにより、平日の日中は仕事や学業に集中し、空いた時間で声優になるための勉強をすることができます。

社会人が養成所を選ぶ際のポイント

社会人が養成所を選ぶ際は、自分のライフスタイルに合っているかをしっかり確認することが重要です。レッスンの曜日や時間帯はもちろん、振替制度の有無などもチェックしておくと良いでしょう。また、年齢制限についても確認が必要です。多くの養成所は30代くらいまでを対象としていますが、中には40歳以上でも受け入れている場所や、年齢制限を設けていない養成所もあります。

日本ナレーション演技研究所やインターナショナル・メディア学院などは、全国に校舎があり、クラスの選択肢も豊富なため、社会人やダブルスクールを考える学生にとって通いやすい養成所と言えるでしょう。一度社会に出てから夢を追いかけることは、決して特別なことではありません。

知っておきたい声優養成所の闇の部分

知っておきたい声優養成所の闇の部分

声優業界を目指す上で、残念ながらネガティブな噂、いわゆる「声優養成所の闇」と呼ばれるものを耳にすることがあります。夢見る若者たちの心理につけこむような悪質なケースも、全くないとは言い切れません。事前にそうしたリスクを知っておくことは、自分自身を守るためにも重要です。

具体的には、以下のような噂が聞かれます。

  • デビューの保証がない: 養成所はあくまで「育成機関」であり、所属プロダクションへの昇格やデビューが保証されているわけではありません。これを曖昧にして、さも簡単になれるかのように宣伝するケースには注意が必要です。
  • 高額な追加費用: 授業料とは別に、特別レッスンや合宿、プロフィール写真撮影などで高額な追加費用を請求されることがあります。
  • 入所が目的化している: 生徒をデビューさせることよりも、多くの入所者を集めて授業料で利益を上げることを主目的としている養成所の存在も指摘されています。

信頼できる養成所の見極め方

こうしたトラブルを避けるためには、自分自身で情報を集め、慎重に養成所を見極める必要があります。以下の点をチェックしましょう。

  1. 実績の確認: これまでにどのような声優を輩出しているか、卒業生が現在どのように活躍しているかを確認します。公式サイトで具体的な名前が公表されているかが一つの目安です。
  2. 情報公開の透明性: 学費やカリキュラム、所属までの流れが明確に提示されているか。曖昧な表現が多い場合は注意が必要です。
  3. 説明会や見学への参加: 実際に足を運び、養成所の雰囲気や講師、スタッフの対応を自分の目で確かめることが最も重要です。

全ての養成所が問題だというわけでは決してありません。ほとんどの養成所は、真剣に声優を育成しようとしています。噂に惑わされず、冷静な目で判断することが大切です。

自分に合う声優養成所の学費の考え方

これまで声優養成所の学費に関する様々な情報を見てきました。最後に、この記事の要点をまとめて、あなたが後悔しない選択をするための指針を示します。

  1. 声優養成所の学費相場は週1回コースで年間30万円から40万円が目安
  2. 学費の内訳は主に入所金と授業料で構成される
  3. 日本ナレーション演技研究所や俳協ボイスは実績がありながら比較的安い
  4. オーディション成績優秀者向けの特待生制度で学費免除の可能性がある
  5. 声優専門学校は年間130万円以上と高額だが基礎から総合的に学べる
  6. 未経験者は専門学校、経験者や即戦力を目指すなら養成所が向いている
  7. プロダクション直結の養成所はほとんどの場合に入所オーディションが必須
  8. 人気養成所のオーディションは倍率が高く合格は簡単ではない
  9. プロを育成する場なのでレッスンの内容は厳しく進級審査もある
  10. 週1回や夜間クラスを活用すれば社会人でも通うことは十分に可能
  11. 学費だけでなくプロダクションへの所属実績やデビューサポート体制が重要
  12. 「デビュー保証」などの甘い言葉や不透明な料金体系の養成所には注意が必要
  13. 交通費や教材費など、学費以外にかかる費用も事前に把握しておくべき
  14. 複数の養成所から資料を取り寄せたり説明会に参加して比較検討することが大切
  15. 最終的には自分の目標、経験、予算を総合的に考慮して最適な場所を選ぶ